8.消臭・香りブームの中で新しい空気汚染はどんなのもの?イソシアネートって?

石鹸ネット共催セミナー(2018年8月)

 この頃、柔軟剤の香りが苦痛だという人があります。一緒に香りを吸っていても何ともない人は多いです。

 

 香りはしなくても、空気が苦しくなる人もいます。ちょっと前までは、そういうことはあまりありませんでした。私達の周りの空気はどうなっているのでしょうか?

 

 空気を汚している新しい材料の化合物はいろいろあるのですが、その中に特別に問題な化合物があります。名前をイソシアネートといいます。今日はそれを皆さんにお知らせしたいのですが、ご理解いただいて対応していただくために基礎的な広がりでお話しします。

 こんな内容です。今の空気汚染全体の様子と調べ方、どの汚染にも共通してイソシアネートが含まれていること、分析で調べることが困難で日本では殆ど調べられていないので、分析調査で安全だといってごまかされないように、ここまでが基礎です。

 

 実際にどこに、どんな風にあって、体にはどのような影響があるか、どうすれば調べられるか、調べた様子はどうだったか、世界での取り組み方をみて、私たちも対応の仕方を考えましょう。

 今の空気汚染を従来の空気汚染と比べてみましょう。

 空気は、毎日、毎時間、目まぐるしく変わっています。このグラフは、年末から、正月の17日にかけて。関東地方のある町の産廃施設の傍と、1.5km離れたところの空気濃度を1時間ごとに計った記録です。

 

 年末は産廃施設に近い所で汚染濃度が高くて、正月は松の内はどちらも少なくなっています。 松が取れた頃から汚染が増えています。施設に近い所も1.5km離れたところも汚染の変動はほぼ並行していて、共通の物質で汚れているだろうと分かりました。

 従来の街の汚染はどこでもこのようで、特別な問題汚染がなければ変わりないものでした。

 

 専門家は世界中同じようだったといいます。トルエンが一番多く、次はベンゼン、次がm,p-キシレンで、o-キシレン、エチルベンゼン、ヘキサンなど、ガソリンの成分が続きます。これらは自動車燃料が燃えないで漏れ出したものです。

 ところが、平成8年に空気が苦しいというところを調べると、全く違ったものがいっぱいでした。

 

 さっきのガソリン成分は赤で印をしました。1番多かったトルエンも、2番目に多かったベンゼンもこんなに少なくて、さっきは無かったものがこんなに多かったのです。

 

 青で印をつけたのはアルデヒドの種類です。紫で印をつけたケトンの類も、青酸化合物の種類もありました。

 その2つを並べてみると、こんなにはっきりと、空気の汚染化合物種類が違うのが分かります。今まで、普通に吸っていた空気と思うのに、いつの間にかこんなに違っていたのです。

 

 苦しいという人がでるのは当然ではありませんか。

 

 これは、住宅地に出来た公園の地下で、プラスチック等の不燃ごみを集めて中継する施設が出来て健康被害が酷かった時の汚染空気でした。

 施設を改善した1年後には少し変わりました。

 施設出来立ての上の図と、改良した1年後の下の図を比べると、改良後には赤で印したトルエンやベンゼンなどガソリン成分が標準的な空気汚染同様に主になってきましたが、しかし標準には無かったアルデヒド類やアセトンという新しい化合物は施設を改善してもやはりありました。 これは、プラスチックを含む私たちのゴミから出てくる空気汚染です。

 

 身のまわりの製品材料からは、今まで気づかれなかった汚染が出ていることが分かりました。

新しい製品が開発されるたびに、その空気汚染を考えなくてはなりません。

 これは、ご近所からの空気が苦しいと、分析したデータを関西から送ってきたものです。身のまわりのいろいろな品物についていた空気からの汚れを分析した代表例です。どの品物からも同じような汚染物質の集まりが検出されました。

 

 さっきお見せした不燃ごみ施設の空気汚染と同じに、アルデヒド類とケトンがやはりありました。炭化水素もありました。炭化水素が酸化するとアルデヒドやケトンになるのです。「○○ナール」はアルデヒド、「〇〇オン」はケトン、「○○エン」で終わるのは炭化水素です。

 

 これらはプラスチックが分解し、酸化すると出来る化合物です。アクリル樹脂からのアセトニトリルという青酸化合物もありました。この頃の私たちの周りには、プラスチック分解・反応化合物が普通にあるように思われます。

 産廃処理施設で火事があった前後の分析では、火事の最中ばかりかその後日までも沢山の化合物で空気が汚れていることが分かりました。

 

 先月26日に建設現場の火災でポリウレタンが燃えましたが、ポリウレタンが燃えるとイソシアネート、青酸ガスが一酸化炭素より前に発生しているはずです。マスコミでは一酸化炭素しか言いませんでしたが。

 日用品等種々の製品で具合悪くなる人を多種化学物質過敏症といったりしますが、調べると多種製品であってもその中の原因と思われる主な有毒化合物は共通に1種類のように見えることもあります。最近の製品に広く使われていて、使っているうちに分解発生して来て、発病原因になりやすいイソシアネートというものがあります。

 

 これからイソシアネートについてお話しします。

 さっきの不燃ゴム中継施設に関する分析で、さっきのグラフよりも重い化合物までを調べてみると、2種類のイソシアネートがありました。

 肩に担げる簡易分析器で住宅団地の道でイソシアネート濃度を調べたら、濃い所と薄い所がありますが、ほとんどの所にイソシアネートがありました。この団地では、ご近所からの柔軟剤の香りで苦しいという人いるので調べたのです。

 その団地のある家の外で、風が強い日の有機化合物全体濃度とイソシアネート濃度変動の記録です。風の影響は著しく、緑で書いた有機化合物合計濃度・TVOCも赤で書いたイソシアネートも風が強いと検出限界以下まで濃度を低下させています。 しかしイソシアネートは空気の5倍も重いので動きにくいようで、比較的軽いものが多い有機化合物・TVOCよりも変化が鈍く、やや遅れています。

 つくば市近くで昨年11月末のある日に、有機化合物合計TVOCとイソシアネートを計って回りました。イソシアネート濃度を赤で、TVOCを青で、各地点種類での平均濃度をグラフにしたものです。縦軸は対数目盛で書いた濃度で、0.01ppbの桁から100ppbの桁までです。

 

 街の東と西の幅が広い大通りでは、自動車が少ない西大通りばかりでなく自動車が多い東大通でもイソシアネートは検出限界以下でした。そこでのTVOCは平均100ppb程と高めでしたが場所によって20倍も違うばらつきでした。

 

 工場の周りのイソシアネートは、小さい化学工場周りでは0.4ppb以下で、大きい化学工場とタイヤ修理工場とごみ処理場付近では2ppb近くまでありました。TVOCも100ppbを超えました。

 

 香料がにおう住宅地では、イソシアネートは最高濃度で1ppbを超え、コインランドリー風下でもほぼ1ppbで2番目に高濃度でしたが、TVOCは10ppb以下で大通り平均と同じでした。香りが流れたり工場風下になったりのところもある住宅地では、イソシアネート平均濃度はやや低いながらもそうとうな濃度で、TVOCも大通り平均を超えました。畑道では、TVOCは最も低い濃度でしたが、場所によってはイソシアネートがありました。

 朝、守谷駅から筑波エクスプレスで北千住までの電車中、そこでJRに乗り換えて飯田橋迄の電車中および下車してから計って、イソシアネートを赤印し、TVOCを×印しで書きました。

 

 駅までの途中は、イソシアネートが多くTVOCが少ないけれどもイソシアネートが絶えたところもありましたが、電車中でもTVOCの割合にイソシアネートが多い時がありました。つくばエクスプレスの車中の方がイソシアネートが多く、JRでは少なめでした。

 イソシアネートは、密集した住宅地や洗濯施設周辺や電車中等で多く、以前とは違って大道理事では車交通量の多さには関係なくイソシアネートは測定限界0.4ppb以下でした。大道理の例外として、化学工場の塀際ではイソシアネートが高濃度でした。

 

 揮発性有機物の合計量TVOCは、イソシアネートの存在およびイソシアネートの濃度とは関係なくて、種類の異なるイソシアネート発生源を示唆しているのかと思われました。

 

 しかし、密集住宅地や洗濯施設に関連したイソシアネート高濃度から、柔軟剤香料マイクロカプセルの影響が強いことも推定されます。

 柔軟剤でイソシアネートが発生しました。

 

 再現性は良く発生する標準濃度で洗濯モデルの処理をし、1日放置した次の日に周辺空気汚染を分析すると、袋の口を開けた時、2.8ppbでした。放出したイソシアネートが散っていった後でも、袋に入れて振りまわすたびに2ppbになりました。振ったり揉んだりではもう出ないようになってから、霧を吹き付け湿らせて、ドライヤーの熱風で体温程度に温めたら最も高い6ppbまで周囲イソシアネートが観測されたということです。温めただけでは発生しなくなっても、霧を吹いたら2.5ppb迄発生したそうです。

 

 このように、柔軟剤等の香料マイクロプフセルが付着した布からは乾いてからもイソシアネートが周囲を汚します。

 イソシアネートはどこから来るのでしょうか?どのぐらい使われている、どんなものなのでしょうか?

 イソシアネートの元は、窒素Nと炭素Cと酸素Oの原子が1個ずつ結びついた-NCOという原子3個の塊です。イソシアネートの元の-NCOが端っこに付けば、何でもイソシアネートの化学的性質を持つイソシアネート類化合物になります。

 

 イソシアネートはいろいろな種類のものが出来ます。

 

 -NCOが1つつけばモノイソシアネート、2つ付けばジイソシアネート、2つ以上つくものはポリイソシアネートといってポリマーを作る元の単分子・即ちモノマーとして使えます。

 

 イソシアネートの元を付けているRという文字は何でも良いものという意味です。Rをトルエンにすればトルエンイソシアネート、メチルにすればメチルイソシアネート、のようにイソシアネートの種類がいろいろできます。

 こんないろいろな形に結びついたイソシアネートもあります。

 イソシアネートは、沢山つなげてポリマーを作ります。1つのイソシアネートを並べて、-OCN同士の間に2個以上のアルコールの元を持つアルコール(ポリアルコール)を挟むとウレタン結合が出来てウレタンになります。

 

 2つ以上のイソシアネート基-NCOを持つイソシアネートでは、ウレタン結合で次々と繋げて長くすることが出来、ポリウレタンというポリマーが出来ます。

 

 アルコールの代わりにアミンを挟むと尿素樹脂・ポリウレアポリマーが出来ます。

 このシリコン樹脂の例のように、イソシアネートを他のポリマー分子の一部に組み込んで、ポリマーの利用性能を工夫することもできます。

 ポリマーの長くつながった分子を曲線で書きましたが、ポリマー分子が絡まりあいながら集まっているのがポリマー材料です。ポリマー分子の間にイソシアネートで橋をかけるように結びつけて、丈夫なポリマーを作るのにもつかわれています。

 イソシアネートを他のポリマーに組み込んだものは、Googleでちょっと検索してみてもきりがなく多くの種類が書いてあります。イソシアネートとか、ポリウレタンとか、ポリウレアとかという名前でなくても、ポリマー材料には、広くイソシアネートが使われているのです。

 

 少し前のように、シリコン樹脂だから無毒だろうと思ったら、シリコン樹脂でもイソシアネートが入っていて毒だった、ということも体験しました。

 これも同じ例。イソシアネートは、農薬ラウンドラップのような、他の化合物をつくる原料としても使われています。

 イソシアネートは、1970年頃からポリウレタン材料として機械部品や接着剤等に使われはじめ、1985年ごろに建物の外壁塗料等に流通しはじめ、1990年頃には発泡ポリウレタンとして急に増えたように思います。経産省の初期リスク評価書暫定版の中西準子氏の表によると、輸入量は1998年のゼロから、また2001年から急激に増えています。

 

 この頃から、身近な建築や土木工事材料として街中でイソシアネート・モノマーが使われることが多くなったと思われます。

 米国のウレタン工業会では、イソシアネートはこのようにいろいろな形で、いろいろなものに広く使われていると書いています。弾力があるゴムとしても、硬い樹脂としても、スポンジとしても、または液体で塗料にも、接着剤にも使われます。こんなにいろいろな形で自由自在な性質の材料を作れるポリマーは他には見当たりません。

 イソシアネートで作るポリウレタンとしてだけでも、自動車や飛行機をはじめ、家具や衣類にも電子機器や衣類の繊維、靴、医療材料にまで広く使われています。

 少し古いですが、平成5年から23年までを詳しく調べると、用途はもっと多方面で合計6万件以上も新規の日本の特許がありました。接着剤、塗料、ゴムの件数が多かったのです。

 イソシアネートは、しかし、いったん硬いポリウレタンになっていても、容易に分解してイソシアネート分子やミストとして空気汚染します。

 

 自動車の修理で、塗装をはがす作業なども、分解イソシアネートによって工員の健康被害が生じやすい例です。

 特に手を加えなくても、ポリウレタンは製造直後から分解し始めて、ポリマーのうちでも寿命が短いものです。

 

 防水加工した衣類や、ポリウレタンを混ぜたデニムも、純粋デニムと違って2~3年で傷み、白い粒粒などが出来ます。

 ポリウレタンを加熱すると分解して、こんな風にモノイソシアネートのフェニルイソシアネートが出来ることも知られています。

 ポリウレタン製日用品から、室温20℃で放出されるイソシアネートを分析した厚労省・医薬品食品衛生研究所の研究が昨年春に報告書になっています。

 

 30種類の製品・枕、アイロン台、ジェルネイル、接着剤、塗料、床用敷物、壁紙のうち27種類からイソシアネートが検出されました。

 

 瞬間濃度としては健康影響が心配される程度ということです。11種類のイソシアネートを分析して、この3種のモノイソシアネートが検出されました。発生したこれらイソシアネートは3種類ともポリウレタンの原料には使え-NCOを1つしか持たないモノイソシアネートです。

 トルエンジイソシアネートもメチルフェニレンジイソシアネートも気温が上がると空気中濃度が急に増えることも知られています。

 温度を28℃から40℃に温めると、発生するイソシアネートの種類も濃度も増えることが分かりました。イソシアン酸では、温度によって濃度が3倍以上に増えるものもありました。

 ジェルネイルからも40℃に熱くなると濃度と種類が増える傾向でした。ピロピルイソシアネートは28℃ではありませんでしたが、40℃では7種類の製品から発生していました。夏の熱中症は、温度だけが原因ではなくて、有害空気汚染物質の急増が関係していることに注意すべきです。

 香りが苦しいというWeb発信が最近増えているのですが、調べに行くと空気中にイソシアネートが検出されました。なぜだろうと思っていたら、香料を長持ちさせるのにイソシアネートを使って小さいカプセルをつくり、それに香料が包まれているようでした。

 マイクロカプセルは農薬でも使われていました。出雲市では松くい虫対策に農薬を撒布した朝に、2千人以上が目の痛みなど被害にあい、その調査資料にメーカーが提出したカタログ写真がこれでした。

 

 図のようにイソシアネートで作ったマイクロカプセルに農薬を包んだ製品だというのです。そして、日に当たったり、虫が歩いたりするとカプセルが劣化して、農薬が徐々に出ていくので、農薬が長続きして効果的だということでした。出雲市の香害原因調査では、散布した日の目が痛いなどの被害症状が農薬の有害症状と一致しないから農薬散布が有害だったとは認められないとの結論でした。カプセルのイソシアネートなら被害症状と一致したのに、です。

 マイクロカプセル芳香加工して売っている会社のカタログです。

 

「芳香マイクロカプセル入りのウレタン系樹脂を種々の資材に付着させることが出来ます。バインダーを使いませんので風合いを悪くしません。マイクロカプセルとは、ウレタン樹脂で作った皮膜の中に、植物から抽出されたオイルを閉じ込めた超小型のカプセルです。ウレタン樹脂なので、ホルマリンが出ないので環境にやさしい仕様です。オイルにはそれぞれ香りが付いていて、資材を揉んでマイクロカプセルが壊れることで、中のオイルが出てきてフローラルな香り、ジャスミン、ローズ、メントール、アップル、ラベンダーなどの清涼感のある香りが漂います。粒子径は1~100µm(千分の1~10分の1mm)」

 

と。

 光を使ったスキャンニング顕微鏡・倍率千倍で観察して、こんなマイクロカプセルを写真に出来ました。

 

 電子顕微鏡でなく、光顕微鏡なので中まで透き通って見えました。中にも細かい粒がビーズのようにつながって入っているようでした。

 これは別の柔軟剤を使った布についたマイクロカプセルです。全体が丸くて中に香料があるらしい〇も見えます。

 これは、柔軟剤などを使わない人が外出先の香りが強い所で香りが移ったシャツを顕微鏡で見たものです。

 

 案の定、マイクロカプセルが付いていました。その形は、丸みが崩れて凸凹になったり、角張って見えました。使いたてでは丸かったカプセルが、劣化してしぼんできたのでしょう。

 香料や農薬、その他の液体を詰め込んで長持ちさせるもう一つの新技術も大流行です。この技術材料のメーカーが、利用させたい各方面の会社を集めて講習会を開いた資料も出ています。

 

 主にシクロデキストリンといってトウモロコシの澱粉分子ですが、一つずつは籠のような形で窪みがある大きな分子です。くぼみの中に香りやそのほか目的の分子を潜り込ませて長持ちさせたり、臭いにおいを吸い込ませたりします。この澱粉分子は無害ですが、他の分子で繋いで鎖のようなポリマー分子にして使います。間をつなぐ分子として、イソシアネートを使ったもの「シクロデキストリン・イソシアネートポリマー」もあります。

 

 さっきの最初の青い写真で、丸いカプセルの中にちらちらと見えたのはそれらしいです。細かいシクロデキストリンポリマーと外側のマイクロカプセルと、香料を2重に包んであり、シクロデキストリンの方はごく細かくて遠くまで飛ぶようです。

 

 除草剤などの農薬にはシクロデキストリンポリマーに詰めただけで使っているようです。

 1993年以後の日本の特許出願では、香料や柔軟剤、消臭剤、農薬その他に、イソシアネートマイクロカプセルを利用するものや、シクロデキストリンイソシアネートポリマ-がこのような件数ありました。

 

 シクロデキストリンポリマーは、マイクロカプセルより例が少なく、また香料及びその他の物に特に多く使われています。

 シクロデキストリンを使う製造方法の特許は2000年を過ぎてから出始めて、2013年にピークのようでしたから、市場に出回ったのはごく近年でしょう。

 さて、そのように近年になってから急激に多方面の身近な製品・材料に使われるようになっているイソシアネートは、健康にどのような影響を持つのでしょうか。

 厚労省の職場の安全サイトで調べると、イソシアネートの安全データシートの第8章に、初めて吸入した時と繰り返し吸入した時の症状が書いてありました。その他の資料も加えて症状を書きだしてみました。

 

 強いアレルギー物質です。そのアレルギーは、目や皮膚や粘膜刺激だけでなく全身の内臓に及びます。喘息は職場で客観的に調べやすいものですが、イソシアネートで喘息になりやすく、肺障害で治らずに重症で死ぬこともあります。

 

 因果関係が調べ難い中枢神経障害も例が示されています。発癌性もあります。近頃症例が出てきたのはアレルギー性の血管痙攣性収縮で、狭心症や心筋梗塞が急に起こることがあります。この心臓の症状は他のアレルギー性薬物でも起こり、コーニス症候群という名前が付いています。

 アメリカの産業衛生協会の安全教育部門でAIHceというのがあります。アメリカ材料検査標準協会・ASTMで唯一公認した教育機関だそうで、国際的にも認められているそうです。一昨年の4月にイソシアネートを使う職場の安全教育講習会を1週間開き、200枚のパワポ画面をWebで公開していました。引き続いて5月には、化学物質による健康の生物学的診断方法の講習会を開き、そこでも5~6個だけの少ない対象物質の中で、イソシアネート被害診断方法のセッションがある等健康影響が重大に思われている物質だと分かります。イソシアネート健康影響のセッションをかいつまんで紹介しましょう。

 主に呼吸で身体に入りますが、皮膚からも入ります。口から入るのは、消化器で処理されやすいので大きな問題になりません。

 

 目や皮膚・粘膜や呼吸の通路に刺激があります。反応が激しい時には、気管支が激しく反応して強い咳や、胸の締付感、呼吸困難にもなります。目に涙が浮かんだり流れたり、痛んだり、赤くなったりもします。

 鼻水や、反対に鼻が詰まることもあります。これが喘息の前触れのこともあります。呼吸器のアレルギーは、イソシアネートを吸い込んですぐ症状が出る時と、数時間経ってから症状が出る時と、その両方で、その場でも症状が出て、一時治まり、数時間後にまた始まることもあります。イソシアネートでアレルギーを起こすと、他の物によっても気管支炎の症状がおきて、何カ月もそのあらゆるものに過敏な気管支の症状が続きます。まさに、多種化学物質過敏症の引き金ですね。

 肺が過敏性の炎症を起こして、気管支の反応ばかりでなくて、気管支にも肺胞にも炎症を起こします。6時間ないし8時間たってからインフルエンザのように疲労感や関節の痛み、不快感、咳や、発熱などが起ることもあります。

 

 まだこの程度だと、化学物質過敏症といわれる症状に似ています。喘息が慢性になった時には、まっさきにイソシアネートを疑いましょう。

 

 イソシアネートは体に入って、血液などの蛋白質と結びついたものがアレルギーの引き金になります。他の物質のアレルギーもおこしやすくなるということです。

 

 一度イソシアネートでアレルギーになってしまうと、イソシアネートにあってからすぐ、または数時間後に症状が出ます。どんなに少しの薄い接触でも喘息を起こすようになります。喘息の症状が悪化すると、治らない肺障害が残ったり、すぐ死ぬこともあります。喘息が悪くなってくると、何か他の肺を刺激する物でも症状を悪くします。

 イソシアネートがある同じような環境の大勢の中で、どのくらいの人がアレルギーや喘息になったかを調べると、1~20%ぐらいの人が喘息になったという調査結果です。工場によっては25~30%という調査結果もあるそうです。

 

 職業喘息の原因物質としてはイソシアネートがダントツに一番で、杉花粉と杉材切り屑がその次の原因物質です。治療すると、早いうちに始めたならば障害を残さずに完全に治る可能性があり、その後イソシアネートに触れなければ、完全に治った患者が1/4はいます。

 他のアレルギー物質にでも、喘息や気管支の過敏症状を起こすこともあるので、喘息持ちになった人は、他のアレルギー物質にも気を付けて、アレルギー物質がない所で暮らさないとなりません。なかなかそういうところが得られないのが日本の問題ですが。まさに、イソシアネートが多種化学物質の引き金になっているということが確かめられているのです。

 

 皮膚に対してもアレルギーが起きることがあります。また、皮膚から入っても、喘息を起こすことがあります。皮膚に傷がある時に、空気中のイソシアネートが皮膚から入ってアナフィラキシーショックを起こした例もあります。

 

 空気中のイソシアネートに気を付けるだけでなく、物の表面についているイソシアネートにも気を付けて、きれいに掃除するとかも必要のようです。

 イソシアネートは種類も多いし、イソシアネートの単位分子が2つ以上結びついたイソシアネート多量体もあるし、そのどれでもがイソシアネートの元-NCOの性質の同じ毒性を持つので、どの種類の、どんな形のイソシアネートも同じようにイソシアネート症状の原因物質と考えなくてはなりません。

 

 オレゴン州や、英国、豪州、アルゼンチン、タイ国やケベックでは、その考えを職場環境規制法律や長期吸入毒性の参照濃度RfCにも取り入れています。こういう危ないイソシアネートに対して、日本では殆ど知らされていないし、お役所の相談に行っても頼りないけれども、世界ではどのように対応しているでしょうか。

 北米では、イソシアネートの健康被害者が後を絶たないので、こんなにも多くの公的ないろいろな機関がイソシアネート対策に取り組んでいます。環境省はもとより、国際労働安全衛生研究所。労働安全衛生局、消費者製品安全委員会、産業衛生専門家会議、保険福祉庁、州の毒性物質規制局、保健有害性評価局、毒物使用削減計画、化学物質管理計画、なんと防衛庁まで。大学が軍の研究をしているけれど、軍も環境汚染から健康を守る対策に取り組んでいるのですね

 それぞれの組織は、各自で独自なやり方で取り組んでいます。カナダの取り組みが少ないように見えますが、カナダでは既に主要なイソシアネートを国内では生産も使用もしていなくて、わずかに輸入したものを特別な目的に使っているだけと書いてありました。

 それらの努力の結果で、イソシアネートを使わない性能も優れた代替品が市場に出てきました。日本にも子会社がある3Mの接着剤も、昔のようにイソシアネートを使わない、そして今までの物より性能の良い製品が出てきました。イソシアネートを使わなくて火事でも燃えない安全な断熱材も出てきました。

 

 塗料もこんな広告ビラで宣伝しているのがあります。見て下さい。たった1枚のビラなのに、「イソシアネートを使わない」という言葉が3カ所にも書いてあるのです。名前がそもそも「ノンイソシアネート・アクリコートエナメル」です。たった3行の能書きに、「危険なイソシアネートを使ってない」と書き入れています。10項目ある特徴の、第1番目に「イソシアネートを使わない塗料」と書いてあります。消費者達に、イソシアネートが恐ろしいものだということが良く知れ渡っているからこそ、こういう広告が出来るのですね。

 

 日本では消費者も化学物質担当の行政マンにすらツンボ桟敷に置かれて、イソシアネートという名前も耳新しいのに。

 テレビやYouTubeでも、イソシアネートの危険性とその使用注意を具体的に、真面目くさったお堅い言葉で詳しく説明したものがあります。左は「イソシアネートハザード」、右は「イソシアネート安全使用法」。

 その内容はどちらもイソシアネートの化学構造式、その危険性の文書とぶっきら棒に読み上げています。

 「イソシアネート暴露」というYouTubeでは、空気中のイソシアネートが気管支に入って、だんだん濃く溜まって、気管支がコンコンと咳をする様子が黙って写されています。これは27,500回も見られました。

 

 発泡断熱材スプレイで家を改造したら、空気汚染で住めなくなった人の動画はCBSニュースでロングランです。長い詳しい番組です。日本ではこういう動画などでの啓発活動は一つもありませんね。国民を大事に思わないのでしょうか。消費者には真面目な話は分からない、漫画でもなきゃ見る筈ない、グラフや分子構造式なんて拒否反応されるよ、と市民を見下して真面目な啓発情報発信をしないのでしょうか。

 イソシアネートはどのくらいの濃度から有害になるのでしょうか。

 

 住宅環境で長期間その空気を吸っていても健康に影響ない濃度を、動物実験などで推測して毒性が現れない限界の濃度をレファレンス濃度・RfCといいます。TDIジイソシアネートのRfCは汚染の重さで0.07μg/m3、空気中分子の数の割合で0.01ppbです。

 

 よく使われる空気中分子の割合で百万分の何個あるかという数え方のppmでは0.00001です。 有機溶媒として多量につかわれているトルエンでは、それは0.07、ホルムアルデヒドでも0.08。

 

 重さで表した濃度のμg/m3だとイソシアネートは0.07、トルエンは260、室内汚染の主要原因とされてきたホルムアルデヒドでさえ100です。毒性が高いと規制対象にされてきたそれらでも、イソシアネートに比べると数万倍も安全なのです。

 

 職場環境だと、そこにいる時間が少ないことと健康な男性を基準にするのですが、トルエンジイソシアネートは15分以内の短時間で濃度でも、0.02ppmを超えないこと、週40時間で土日休めるという勤務時間中の平均濃度で0.5ppbを超えないことと規制されていましたが、それでも体調が悪い人がたえないということがわかり、昨年1月から国際的基準のACGIHでは、勤務時間中の平均で、1ppbを超えないことと、もっと薄く、安全なように変えられました。イソシアネートがどんなに、特別危険な毒性化合物化おわかりいただけたと思います。

 私たち消費者の中から、対策の啓発活動を真面目に始めなくては救いようがない日本です。家族が大事だから、友人が大事だから、公的な組織に先立って正確に調べて報せあいましょう。そこから対策が始めるしかないのではありませんか。知らせるために、どこに、どのようにあったかを調べたいですね。

 先ず、本当にイソシアネートがどんな所に何から出てきて、どれだけなのかを知れば、話はしやすいです。それでさっきお見せしたような、イソシアネートを分析したデータをお見せしましたが、実は、日本では環境空気中にはイソシアネートが殆どないことになっていて、欧米のような調査データもなければ、分析方法さえ満足にないのです。科学立国の先進国日本なのにね。

 クロマトグラフ方法の原理はこの図のようです。空気中から汚染物質を全部一緒に集めてきます。集めるには活性炭など適切な吸着剤を詰めた管(サンプリング管といいますが)、その中にポンプで一定体積の空気を吸い込んで、汚れ物質だけを吸着剤に吸い込ませます。サンプリング管は実験室に持ち帰って、吸着剤にしみ込んだ汚染物質を全部、溶剤に溶かし出します。

 

 溶剤に溶けて出した汚染混合化合物のうち、どこにでも高濃度にあるなどで分析に邪魔になる水蒸気や炭酸ガス、メタンなどを適切な方法で取り除き、残りを濃縮します。濃縮した汚染物質をマイクロシリンジで計ってクロマトグラフ分析器の試料室に一定体積だけ注入します。分析の邪魔にならない純粋な気体または液体を試料室に送り込み、さっき入れておいた濃縮汚染物質を分析器中心にゆっくりと押し出します。

 

 分析器の中心はカラムと呼ばれるぐるぐる巻いた細い管です。カラムの中は細くて通り難くて、試料室から押し出される汚染物質のうち、小さくてすんなりした形と性質の化合物は短い時間でカラムを通り抜け、形が大きくて重くてつかえ易い化合物は通り抜けるのに時間がかかります。出口には検出器があって、何秒で出てきたものがどれだけの量だったかをカウントして記録します。その時間に対する通り抜けてきた量をグラフにしたものが前にもお見せしたような分析データのクロマトグラフです。

 クロマトグラフと呼ばれる分析器の最初のデータがこのようなものです。時間を横軸にして、通り抜けて出てきた物質の量をグラフに書いたものです。

 

 この例では、ニコチンが分析開始してからこの時間、17分30秒後にこのぐらいの強さで出てきて、その一寸後の18分にトルエンジイソシアネートの一種が出てきて、そのまたちょっと後でもう一種のトルエンジイソシアネートがもっと多く出てきて、19分近くなってビフェニルがこんなに多く出てきた、ということが書いてありますがそれらの化合物の名前は初めには書いてありません。

 

 化合物の形によって通り抜ける時間が決まるので、同じトルエンジイソシアネートでも、分子構造で-NCOが付いているが違う物は、別な種類として、出てくる時間がずれています。同じ構造のトルエンジイソシアネートでも、1個ずつ離れてなくて2個など結びついていると、もちろん通り抜ける時間が違うので、別の時間に出てきます。

 

 分析器から最初に得られるクロマトグラフの大小の山で示された化合物の名前や濃度をどのようにして判断するのでしょうか。

 カラムを通り抜けて出てきたそれぞれの化合物は、検出器で時間と量を記録した次に、質量分析器に送られて化合物の形を調べられます。質量分析器では、分子をイオンに分解して、各イオンの重さを横軸に、イオンの数を縦軸に記録されます。

 

 例えば水ならば、酸素のイオンが酸素の原子量16の所に、水素イオンが原子の質量1の所に、酸素と水素1つで出来たイオンが原子量合計17の所に、酸素の同位元素と水素の同位元素で出来たそれらイオンの原子量合計の横軸の該当位置にして、それぞれのイオンの数を縦軸に書いたグラフが出来ます。質量スペクトルというグラフです。10万ぐらいの化合物について実験で確かめた質量スペクトルがデータバンクになっています。

 

 クロマトグラフで18分なにがしの所で出てきた分子で得られた質量スペクトルは上のようでした。データバンクで、これと一致する質量スペクトルの物質はどれだろうかと自動的に検索してくれます。結果としてこれが一致する質量スペクトルの化合物だよ、と提示されたのが、この下の図の1,3-トルエンジイソシアネートの質量スペクトルです。クロマトグラフの18分の所の山は1,3-イソシアネートがカラムを通ったものだったという分析結果の1つが出来ました。

 調べた空気汚染に沢山の化合物があるとクロマトグラフにはたくさんの山が出来ています。それぞれの山が何という化合物と一致した質量スペクトルだったかと、分析器のデータバンクで検索して、このような一覧表に書き出すこともできます。

 

 表のこの部分では、分析した空気汚染物質クロマトグラフで、早い方から101番目で18分に出てきた化合物は1,3-トルエンジイソシアネートだろう、102番目に18分11秒に出てきたのは2,4-トルエンジイソシアネートだろう。けれども99番目に17分63秒で出てきた化合物は、トリメチルドデカンか、メチルプロピルノナンか、あるいは。プロピルドデカンか判断し難い、106番目のも、メチレンビスフランか、ジヒドロベンズイミダゾールオンか、プテリジノンかのどれかみたいだ、と書いてあるのです。

 

 似たような質量スペクトルに分かれる化合物はいくつもあるので、質量分析スペクトルがほぼ一致していても確実には種類が決めにくいのです。それで重要な判断には、それらしい化合物の純粋なものを標準試料にして同じ分析条件でクロマトグラフを書かせて、そのピークの時間が調査サンプルと同じことで確かめます。純粋な標準試料が得られない化合物ではそれも出来ないのです。

 

 精密分析といっても、空気中の有機化合物の分析はまだ頼りないものです。イソシアネートについては、無限にある種類のうちで標準試料が輸入出来ているのが11種類だけです。

 実際に計ってみると、空気汚染化合物は、時間や場所によって変動が著しいものです。しかし、クロマトグラフ質量分析器で高価な分析費用と多大な労力をかけて何度も図るわけにいきません。

 

 実際的な分析方法として、問題場所ですぐ分析結果を読取り記録できる直読式の分析器、またの名をその場分析器という簡単操作の分析器が世界では40年も前から盛んに現場で使使われて、健康とイソシアネート濃度との関連研究などが少なくありません。

 

 イソシアネートを安全に使う為のAIHceの講習会では、精密分析と直読式分析の比較を示しました。直読式ではイソシアネートの種類、単量体・モノマーか二つ以上結合したもの・多量体かなどに関わらず、-NCOのイソシアネート基なら全部あわせて測れるので、健康影響が分かりやすい。また連続測定記録が出来るので、15分間だけでも限界値を超えてはならないという危ないイソシアネートの各瞬間の濃度もその場でわかり危険防止の対応が取れる、各データ当たりの費用が安い、などのメリットが挙げられています。

 

 日本でそれを輸入し入手できるようになったのは近年です。去年から改良型新種装置の輸入が始まりました。私たちVOC研は、それを使って初めて日本の環境におけるイソシアネートを図っています。

 これは欧米の文献でよく紹介されている直読式の毒性希薄ガス分析器・ハネウェル社製ケムキーTLDです。試薬を塗ったテープに特定の有害化合物との化学反応で色が付き、色の濃さをレーザーで計って濃度を分析し、表示と記録をする直読式の毒性ガス分析器です。15分に1度ずつ、目的化合物ごとに決まった時間だけ空気を試薬テープに吹付けます。そして変色した色の濃さをレーザーで計り濃度に換算します。

 測定出来る毒性ガスの種類はこれだけです。

 測定例として、建築現場から80m離れた家で記録したイソシアネート濃度変化を示しました。このテープ4本で大体24時間です。毎日、工事をしている昼間の時間だけイソシアネートがあるというもっともらしい結果が記録されていました。

 柔軟剤希釈水液に鉄片を入れて撹拌、沪紙を浸してガラス瓶に入れ瓶内のイソシアネート空気汚染を調べました。洗剤からはイソシアネートが検出されませんでしたが、柔軟剤からは検出されました。

 これは先ほどのケムキーTLDをモデルチェンジした同じくハネウェル社製SPM-Flexという直読式分析器の新製品です。去年からお目見えです。ケムキーが15分間隔の測定だったのが、1秒間隔で濃度を調べて記録するように制御されています。

 

 これらの試薬テープの反応色での分析ではイソシアネートの種類に寄らずに合計濃度が測れるから実用的だな、と思っていたのですが、最近の新製品柔軟剤では、イソシアネートがある空気中でも試薬テープの色の変化を強力に打ち消す何かの化合物を配合されていることが分かり、限界を感じています。住宅地ではオゾンやNOxの影響は表れるほどでないことを確認しています。

 

 柔軟剤のような妨害化合物を多量に含んでいる物の分析には、クロマトグラフ・質量分析器での精密な測定に任せます。しかし、分析器に入れる前にーNCOイソシアネート部分の全量をクロマトグラフの同じ時間に揃えるような前処理の試薬を使う必要がありますが、日本には、その分析試薬もまだ輸入されていないので、どこの専門家に依頼しても完全なイソシアネート全量の分析は不可能です。英国やオーストラリヤ、アイルランド、アメリカの幾つかの州では全イソシアネート合計濃度の分析値で長期吸入安全参照濃度を規則にしています。

 消費者環境でも、塗装のような、揮発しやすいイソシアネート単量体のままで使われることもあるので、国際イソシアネート協会ではこのような文書も出しています。

 

 自動車ボデイーの修理やタイヤ修理などのポリウレタン分解イソシアネート発生の作業でも周辺住民への配慮が必要と思われます。そういう作業や日用品からのイソシアネート発生を日本国内の多くの場所で確かめて、対応することが日本の為に必要な急務だと思われます。

 

 皆様のご協力をお願いし、また皆様の健康な環境が守られますようにと祈ってイソシアネートに関する話を終えます。